
副業と聞いて、まず最初に手を出したのは「せどり」だった。
YouTubeなどを見て勉強し、当時自分がやっていたのは、
「Aという商品を、Amazonで売られている価格より安く仕入れ、Amazonで販売して差益を得る」という、王道とも言えるやり方だ。
当時、私は通販サイトでは楽天をよく使っていた。
Amazonと楽天で同じ価格で売られている商品でも、楽天ポイントが付く分、楽天で仕入れてAmazonで売れば利益になる。
そう知り、楽天で購入した商品をAmazonに出品し、
収支はほぼゼロでも、後日付与される楽天ポイントを利益として、せどりを進めていた。
結論:せどりはうまくいかなかった
結論から言うと、せどりはうまくいかなかった。
理由はいくつもある。
立ちはだかる手数料の壁

ーAmazon倉庫への送料ー
まず、Amazonに商品を出品する場合、多くの人が「FBA」と呼ばれる仕組みを使う。
これは、Amazonの倉庫に商品を送り、保管・発送・販売を代行してもらう仕組みだ。
当然、そのための送料がかかる。
ダンボール一箱に商品を詰めて宅急便で送ると、500円〜1,000円以上のコストになる。
仮に、1個あたり500円の利益が出る商品だったとしても、
この送料がまるまる利益から引かれてしまう。
-販売代行手数料-
商品が売れるとサイズや重量に応じて手数料がかかる
- 小型(スマホケース等): 約200円~
- 標準(本、衣類、家電等): 約400円~600円程度
- 大型(家具、家電等): 約700円~数千円
- 特大(260cm超): 13,950円~
まぁ・・・しかたない・・・
-販売手数料-
さらに、FBAの販売手数料がかかる。マジでこれが鬼門すぎる
販売を代行してもらう以上、これは避けられない。
売価の8%〜15%
利益に対してじゃないよ、売れた金額に対してだよ
つまり10,000円で売れたとした場合800円~1,500円が手数料として差し引かれるわけだ
例えばAmazonで10,000円で売っている商品を8,000円で手に入れたとしよう 売価(10,000円) - 仕入れ原価(8,000円) -倉庫発送費用(500円)- 販売手数料(売価の約10〜15%)1500円 - FBA手数料(配送・保管)500円 =差益-500円
という具合になる、つまり市場価格より2,000円安い商品を仕入れても利益が出ないどころか赤字になってしまう。
もちろんAmazonが上記の諸々を掲載してくれるシミュレーターを公開しており
バーコードや製品名を入れることでそれらを計算してくれるのだが
上記のような手数料地獄をかいくぐって利益が出る製品なんて簡単には見つからない、
製品の登録や発送にも人的工数がかかっているので1時間作業して1,000円利益がでました、2,000利益が出ましたでは話にならないのだ。
-在庫保管手数料-
あまり大きな金額ではないが、1か月ごとにサイズごとに数円~数十円かかってくる
なかなか売れない商品の在庫を大量にAmazon倉庫に抱えているとこれも結構な負担になってくる。
やってみて分かったのは、
細かい差益では、まったく儲けが出ないということ。
時間単価にも合わず、「もっと単価の高い商品を扱わないと無理だ」と感じるようになった。
高額商品という次の落とし穴

20円、30円の差益を何時間もかけて積み上げるのは割に合わない。
そう考えた私は、高額商品をせどりの対象にすることにした。
楽天を見ていると、次のような商品が目に入る。
・美容機器(10万〜20万円)
・釣り用のリール(5万〜10万円)
・薬用シャンプー(1万〜2万円)
・育毛促進剤(5万〜6万円)
「Keepa」という、各サイトでの価格推移を調べられるツールも使っていた。
月額1,500円ほどで、1商品あたり5,000円〜10,000円ほどの差益が出そうに見えた。
このときの私は、
「副業のコツを早くも掴んだ気がする」
そんな勘違いをしていた。
……もちろん、掴めてなどいなかった。
高額商品の値動きは想像以上にエグい

まず手を出したのは、釣り用のリールだった。
当時7万円ほどで購入し、すぐに出品してみたが、まったく売れない。
相場を確認すると、価格が2万円ほど下がっていた。
どうりで売れないわけだ。
売れるまで待つか……と思ったが、そうもいかない。
売れなければお金が入らず、次の商品を仕入れることもできない。
「そんな余剰資金もない状態でやるなよ」
そんな声が聞こえてきそうだ。
昔の自分に、1万回くらい言ってやりたい。
しかも、Amazonの倉庫に商品を保管しているだけでも、どうやらコストがかかるらしい。
資金は動かず、コストだけが増えていく。
結局、釣りのリールは5万円まで値下げして出品した。
すると、即売れた。
めでたく、2万円の損失である。
さらに続く致命的なミス

次に手を出したのは、育毛促進剤だった。
1本5,000円ほどの瓶を、9本まとめて購入した。
アマゾンセラーセントラルに送ったところ、
なんと、商品が棚に並ぶことなく、そのまま送り返されてきた。
理由は、成分の中に危険物(アルコールなど)に該当するものが含まれていたため。
個人では出品できない商品だったらしい。
売れない、値下げもできない。
こうして5万円弱で買った育毛剤は、我が家のラックに数年居座ることになった。
5万円の損失。
「じゃあ、薬用シャンプーはどうだ?」
そう思い、成分表を確認する。
危険成分はなさそうだ。
今度こそ取り返せると思った。
ところが、セラーセントラルで事前登録しようとすると、登録できない。
調べてみると、その薬用シャンプーはメーカーが個人の出品を禁止していた。
1本1万円の商品を4本購入していた私は、
Amazonに送ることすらできず、
しばらくの間、髪にコシとツヤだけが残った。
4万円の損失である。
せどり、終了

初っ端から情弱ムーブを3連続でかまし、
私は稼ぐどころか、10万円以上の損失を出していた。
他にも売れた商品はあったが、
正直、2〜300円程度の利益にしかならず、
ただひたすらマゾい内職を続けていただけだった。
ドン・キホーテに行って安い商品を探すこともあったが、
思うように差益が取れる商品は見つからず、
時間だけが消費されていった。
この副業は、自分には合わない。
そう悟った。
先日、「せどりで月70万円稼いでいる人」に密着する動画を見たが、
あれは根気強い忍耐力と、恐るべき体力がないと成立しない世界だと思う。
……完全に舐めていました。